肩こりって頭が重いせい?
頭の重さは体重比で約8~13%と言われており、体重50gの人で約5Kgです。
一般的に肩こりの原因でよく言われているのに、「頭が重いせいである」というのがあります。「重い頭を細い首が支えているから肩こりが起こる」、「日本人は特に体が小さいので重い頭を支えられなくて肩こりになりやすい」とか「二足歩行の歴史はまだ浅く、重い頭を支えるのに適した体でないから肩こりになる」… など
しかし、本当にそうでしょうか?
首は重い荷物を支えられる
首は5Kg以上のものを支えられるようにできている
いくつかの国や民族では荷物を頭に乗せて運んでいます。
実は、荷物は頭の上に乗せて運ぶと比較的楽に運べるのです。頭で荷物を運ぶ人たちに、「頚椎椎間板ヘルニアや首痛、肩こりが多発している」という話は聞いたことがありません。
そのカギは、どうやら姿勢にあるようです。頭に荷物をのせたときというのは、背骨を綺麗なs字(生理的な前弯、後弯、前弯)にしないと保てません。
また、腕を上に上げる姿勢をとることで、大胸筋や小胸筋が自然とストレッチされて肩が開き(巻き肩にならない)首の負担が減るのです。スマホ首や猫背では乗せて運ぶことが難しいのですね。
単に頭が重いだけでは肩こりになることはなく、実際は、「不良姿勢で頭を支えているから首こりや肩こりが起こりやすい」ということなのです。(参照:頭の重さ)
肩こりや首が痛くなるのは頭が重いせいではなく不良姿勢が原因
頚椎の構造
頚椎(首の骨)は、他の胸椎や腰椎に比べその大きさは小さくできています。これは、支える対象が頭だけであるため小さくて済むのです。つまり、身体は頭5kgを重いとは認識していないのです。実際、高齢者にみられる圧迫骨折は胸椎や腰椎に多発し、頚椎では極小です。これは、頚椎の椎体は荷重の負荷が少ないことを意味しています。
不良姿勢
不良姿勢の場合、まず、首や肩の筋肉に大きな負担がかかります。スラウチ姿勢やスマホ首、ストレートネックや頚椎後弯がそれにあたります。その状態が長く続くと椎間板に持続的な圧迫が起こるので椎間板に障害が起こってきます(椎間板症)。そして更に椎間板のダメージが続くと、ヘルニアや頚椎症へと発展していきます。