入浴中の手のしびれ!

入浴中に手のしびれを感じたらどうしたらよい?

CTスキャン MRL検査

湯船につかっていると手がしびれてきたり、肩こりが強くなってくる場合、または、手のこわばりが強くなってくる場合があります。そのような症状が頻繁に現われるようでしたら、まずは脳神経外科などでCTスキャンやMRIを撮ってみましょう。

CTスキャンは放射線を利用して画像を連続撮影したものです。検査時間が短くすみ手軽に検査ができますが脳の詳細な部分までは診ることができません。MRIは磁場を利用したもので小さな脳梗塞まで写すことができ画像も立体的で鮮明です。しかし、撮影時間は長く狭く暗いところにじっとしていなくてはならず、撮影時かなり大きな音がするので不快感を覚えることがあります。

血液検査、その他

入浴中に手のしびれが起こる疾患には、膠原病や多発性硬化症などもあります。その疑いがある場合は血液検査や腰椎穿刺という髄液をとって調べる検査などが行われます。

検査で異常がないのに何故しびれる?

「専門病院での高度な検査を受けたが異常なし」という場合は何が原因なのでしょうか。検査では異常がないので一安心ですが、決してそれで症状がなくなったわけではありません。とりあえず生命の危険はないことがわかったのでホッとする反面、症状に悩んでいる本人としては何も解決していないので腑に落ちない気持ちになるかもしれません。

じゃあ原因は何??

一般的に考えられる原因

  • 椎間板ヘルニアや頚椎症、手根管症候群などの基礎疾患があり、患部の炎症が強い場合、体が温まるとよけいに炎症が強くなり悪化することがあります。
  • 感染疾患がある。
  • 入浴中は汗をかくので電解質(ナトリウム、クロール、カリウム、カルシウム、マグネシウム)が不足するため。

あまり知られていないがよくある原因

それでは、入浴しているときとそうでないときとでは何が違うのでしょうか?もう少し違った視点から考えてみましょう。下のイラストをご覧ください。↓

入浴時の首の負担

普段(立位や座位)では頭の重さ(約5kg)を背骨全体で分散して支えています。首だけで頭を支えているわけではないのです。

ところが入浴(湯船につかっている)しているときというのは、体に水圧や浮力が働きます。よって、背骨の働き(頭の重さを分散して支える)が十分に発揮できない状態になっているのです。

結局、頭の重さは首の骨(頚椎)で支える負担が増えることになります。頚椎の圧迫が増えることで椎間孔という神経の通り道が狭くなり神経を圧迫して、手のしびれや肩こり、手のこわばりが増すことがあり、脊髄神経の圧迫が強くなった場合は足や体全体までこわばることがあるのです。

腹式呼吸ができにくくなる

湯船につかると水圧がお腹や胸、背中にかかり圧迫されるので、腹式呼吸や胸での呼吸がしずらくなります。結果、努力呼吸といって、首の筋肉(斜角筋や胸鎖乳突筋)を使った呼吸が強くなることがあります。それらの筋肉が緊張するとやはり頚椎の圧迫が増えるのでしびれが増すことがあるのです。また、頚椎の圧迫でなく、斜角筋症候群を起こしてしびれや肩こりが増すことも考えられます。

入浴後にしびれる場合

今まで解説してきたのは、入浴中のお話です。「お風呂から出た後にしびれる」という場合はどうなのでしょうか。ここでは、脳と血液の検査で異常がなく、整形外科的検査でも異常がないことを前提とします。

可能性が高いのは、のぼせ・脱水症状からくるしびれです。電解質(ナトリウム、クロール、カリウム、カルシウム、マグネシウム)が不足するためです。

対処、処置

ご自身での自己療法(ストレッチや揉む、叩くなど)は症状を悪化させる危険がありますので避けるようにしてください。

病院や各施術所で適切な処置をしてもらうようにしてください。

一部の人は民間療法は無資格なので極端に敬遠していますが、世の中には職人的な卓越した技術を持った施術家がいることもまた事実です。施術する人に専門知識や技術があるか確かめて施術を受けるようにしましょう。(資格にこだわる人は国家資格(あん摩マッサージ指圧師か鍼灸師)の資格を持っているか確かめるのもよいでしょう)

 
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